クルマの作り方⑨

鉄の塊クルマって動くのですよ。

この動くってのがクセモノでして…w

もちろん走る曲がる止まるが大前提にあるわけですが、ここでの動くはねじれる押される引っ張られるです。

クルマが走っているときには常にクルマのどっかがねじれて押されて引っ張られてます。

卓上で出た解析結果に中々ならないのはこのねじれる押される引っ張られるをちゃんと理解していないから。

実際クルマの至る所にさまざまなセンサーを着けてねじります押します引っ張りますw

かなり過激に大胆にw

日本車の安全率は欧州や米国に比べるとかなり低めに設定されるのですが1つの車種を多様化させる為に安全率が高い国に合わせてつくる傾向があり必要以上な過激なテストが行われます。

強度に関して言えば日本車を日本で普段に使う分には十分すぎるスペックを持っております。

諸外国でも日本車が人気なのはこの必要以上の過激なテストのおかげだったりするとかしないとかwww

クルマの諸元を導き出すのに相当額相当時間を費やしそのクルマに最適なスペックに仕上げて販売まで持っていきます。

いわゆるノーマルってやつ。

売れる売れないを左右させるノーマルスペック。

このスペックのどこに重点をおくかはユーザー次第ではありますが。

設計開発に携わるとこのノーマルスペックを愛してやまないのですよ〜www

諸元を変更して色々楽しみたいお客様にはちゃんとノーマル諸元の理由を説明してメリットデメリットをお伝えします。これ意外に高評価www

博打要素がたっぷりあるので中々新規プラットフォームで新しい車が作れない。

売れ筋車種をマイナーチェンジやらフルモデルチェンジやらさせた方が楽だしコストも抑えられる。なにせ売れ筋車種はずっと売れますから。

開発者全員運転免許整備士免許持っているならばもっと違うやり方で楽しい車が作れるのかもしれませんが

でも逆を言うとクルマを知らないからこそのアイディアや発想がある。

だから自動車メーカーは進化ができる。

なーんて思いながら仕事しないと先に進まないのですw

結構真剣にクルマつくってましたよ♪

クルマの作り方⑧

試行錯誤してできた試作車は大事に扱わなければならないのです。

数台しか作らない上やたらと高いw

某車種はボディだけで億のコストがかかってます。

この試作車を使いあれやこれやテストしていくわけですが

試験項目が半端なくあります。

クルマに搭載された全機能の耐久性テスト

ドアの開閉テスト

走行耐久テスト

破壊テスト

衝突テスト

などなど

しかも各国によって希望要件がちがいます。

日本のクルマの一生は1010万キロを1つの目安にしておりますが他の国は車種によっては500万キロとかを補償要件に出してきます。

夏は高温多湿、冬はからっからでクッソ寒い日本の環境を加味して作られる日本車は諸外国では評判が良いのです。

開発は数字が命。

加速度

歪み

負荷荷重

なんかを色々な試験機を駆使して測定し解析する。

その繰り返しです。

ひたすらひたすらじみーに時間がかかる開発車両テスト。

試験設備も限りがあり車両1台を10位の部署で共有しているので、ここでも横の繋がりの連携が悪く

トラブル続きですww

車両発売日が決まっているので試作車の完成が予定よりズレ込むと自ずと車両テストの時間が少なくなり皆様鬼の形相でございますww

卓上で出たテストデータを100としてしまうので困りものです。

書くとキリが無くなるしダメ出しにしかならないのでやめておきますがww

2割の人達で8割の人達を説得させるって結構至難の技ですよw

クルマの作り方⑦

ただ自由に部品の図面を書けば良い訳ではなく、ものすごい数の成約があります。

歩行者を保護する規制。

歩行者とぶつかった時に突起物が歩行者めがけて飛んで行かないようにする配慮( 年々厳しくなるので大騒ぎ)

柔らかいもの( 配線やらゴム類)は走行中動く事を想定して逃げを作る必要がある。

整備性。

これが1番厄介で、現車を知らない人たちなので図面上のスペースに工具が入りそうならそれでよしとしてしまう傾向が強いですw

だから車種によっては整備性が悪いクルマが完成しますwww

生産性。

これも厄介で図面書く人は大量生産できるできないの判断がつかない。よって生産ライン立ち上げる部署とケンカになりますwww

などなど、100近い制約がありそれを満たした図面のみが解析にかけられます。

PCの中でクルマとして成立するのかを検証解析を繰り返し行いOKが出たらようやく各サプライヤーに試作部品を作ってもらったり試作車を作る準備に入れます。

プロジェクトキックオフから試作車を作ろうとするまでざっと半年以上一年未満。

その間はずっとPCと睨めっこなり。

クルマの作り方⑥

CAD

私が使っていたのはNX

設計から解析までしてくれる優れもの。

このソフトさえ完璧に使えれば神様扱い。

だから設計解析は一日中PCの前。

普段プロジェクトコードで会話をする為自分が何の車種に携わっているかもわからない時があるw

三次元CADの基本座標表記XYZ

クルマの場合 X前後 Y左右 Z上下で全てが進みます。

座標。

つまりそのものの位置。

XYZの最初のスタート位置はフロントアクスルセンターと決まっている。

前後左右上下ゼロの点がフロントアクスルセンター。

そこを起点にものの配置を決めていきます。

クルマのスペースは限りがあり、限りあるスペースを部品ごとにある部署が場所取り合戦するのです。

横の連携がまー見事に取れずw

クルマの知識不足による認識のズレから部品通しの結合部分が合わないトラブル続出w

各部署色々な理由をつけて少しでも広い空間を確保したがるので調整する役目も大変です。

そんなトラブルを解決させていく為にクルマを知っている2割がいたりしますwww

クルマの作り方⑤

クルマを設計開発する上でクルマの整備知識 運転技術は必要ありません。( あったに越したことはないけど

私が以前いた秘密基地には約1万人が働いており

部品の数だけ部署がある感じです。

ひたすら夢のクルマをデザインする部署から託児所の部署までw

全て意味のある部署で無駄がない。( ように見えるwww

そこの中で整備知識 運転技術をもった数少ない一歯車だったわけですが…w

予算が決まったらすぐクルマが形になる訳ではなくPC上で精巧にクルマを作ります。

クルマは3次元の立体物。

そしてなくてはならない三次元CAD

クルマの知識なんかよりもCADスキルがよっぽど重要。

クルマ作りはCADが全てですwww

クルマの作り方④

何百億の一大事業。

絶対しくじるわけにはいかずw(何件かどえらいもめて企画倒れを経験

私がいたところは外資メーカーとアライアンス契約だった故 中々予算折り合いが付かなかったことが多々ww

まー もの凄い賢い人たちの集団なんですよ。

ちょー 一流大学な方々とボンクラ荒くれ野郎(私 )が一緒に仕事をするw

まー色々勉強になりましたよ色々w

なもんで開発部署にはクルマを知らない

ちょー  一流様達がものすごーくたくさんいます。

その方々に整備士の免許を取らせる訳でもなくクルマの仕組みを詳しく教えるわけでもなく

終いにはクルマの免許すら持っていない人もw

でも何も知らなくても開発者になれるんですよ〜

クルマの知識を持たなくてもクルマの開発ができる。

クルマを知らない人達がクルマを作っておりますwww

クルマの作り方③

多分どこのメーカーも今は国内向けの新規開発はあまりやっていません。

理由は日本車は国内より海外需要があるから。

私が某メーカーに在籍していた頃は海外向けのプロジェクトばっかりやってました。

日本向けの場合はほぼデザイン変更か仕様変更がほとんど。電装電子部品は積極的に開発していました。

基本35年周期で仕様変更。いわゆるマイナーチェンジやフルモデルチェンジ。

何万個と言われるクルマの部品全てにおいてじみーに仕様変更がかかります。

この目的はコスト削減、法規制などなど

要するに全てはお金から始まります。

クルマ作りの第一歩は予算取です。

あるクルマを5年後に売ると決めた場合

ターゲット層を絞り推移し五年後の何月何日にいくらで売るってのが決まります。

そこから逆算してプロジェクト総予算が決まり販売に向けてプロジェクトが走るっていう感じになります。

クルマしかも大衆車両を作る総予算は何百億っすよw

クルマの作り方②

クルマを運転するのが好きな人。

クルマに乗るのが好きな人。

クルマをカスタマイズするのが好きな人。

クルマが無いと生活できないから無きゃ困る人。

クルマに興味がない人。

ま〜人間十人十色。

色々な考えをクルマにお持ちでしょう。

その色々な考えを持った人達が設計開発部署にはいます。

開発部署って整備士だらけでは無いのです。

クルマのスペシャリストの塊では無いのです。

むしろクルマのクの字も知らない人達が8割を占めますw

残り2割が束ねてクルマが出来上がります。

中々のデンジャラスゾーンですよ開発部署ってw

でもうまくできているのですよー♪

今後うまくできている流れを伝えていこうと思います。

クルマの作り方①

生産工場で作ってます。

以上。

ってわけにもいかずw

どんな分野でも産みの苦しみはある訳ですが〜

クルマを空想段階から販売店に並ぶまでを見てきた目線から、家の次に高い(家より高いクルマもある)クルマが形になるまでを不定期ですがつらつら書いていこうと思います。